オフセット印刷とオンデマンド印刷
従来印刷と言えば一般的に「オフセット印刷」が主流でした。
大量部数の印刷を行う際にコストメリットが出やすく、コピー機を使った出力などに比べて写真やアートなどの印刷品質の高さがその特徴です。一方で製版が必要になる為短納期での対応は難しく少部数では割高になります。
会社案内を作成する際に1部当たりの単価を下げる為に部数を増やしたところ、使い切る前に記載内容に変更があって在庫を大量に廃棄せざるを得なくなった。社封筒がまだたくさん残っているのに営業所の移転で住所が変わって使えなくなった。というようなことが起こりがちです。
これに対して「オンデマンド印刷」はオフセット印刷ではコストが高くなる少部数の印刷を得意とします。製版の費用が掛からない為少部数の場合にコストメリットが出易く、必要以上の大量発注を抑えることが出来ます。
入稿データから直接印刷が可能である為、オフセット印刷と比較し短納期での対応も可能です。(注:お預かりするデータにより編集が必要になる場合もあります)
こんなケースでオンデマンド印刷をお勧めします!
商品やサービスの取扱説明書やパンフレット等、定期的に内容の一部が変わるようなもの。
オンデマンド印刷であれば変更のあった部分のみデータを修正し、すぐに印刷作業に取り掛かることが可能です。修正が発生したことにより新たな製版費用が掛かるといった事がありません。
印刷物の一部分を変更しながら連続して印刷するバリアブル印刷。
ダイレクトメール(DM)の宛名印字、抽選やプレゼントキャンペーンなど行う際のシリアル番号印字、マーケティングの為の個別QRコードの印字など、同じデザインの中の一部分を変更しながら印刷する事が出来ます。
会社の研修や会議の資料など数十部程度の冊子の作成。
社内で行う研修や会議の資料の作成は内作で行うと担当者の負担も大きくなります。PDFデータなどで入稿いただければ必要な時にお届けします。オンデマンド印刷であれば比較的少部数の印刷であってもローコスト・短納期で対応が可能です。
個人による同人誌や論文等の冊子作成。
製版代の掛からないオンデマンド印刷であれば、数冊というような冊子作製であっても大きな費用をかけることなくご依頼いただくことが可能です。企業の様な予算が取れない個人様であっても「本」の作成が可能です。
大量に印刷してしまうと保管場所に困る等、省スペース化を考えるケース。
オフセット印刷の場合は1冊当たりの単価を下げる為に、数百部とか数千部といった数量での発注が必要になり、考えていた以上に保管場所が必要になる場合があります。また、その在庫が無くなるまで数年掛かってしまうというような事も。オンデマンド印刷であれば保管スペースと印刷コストのバランスを考えた数量での発注が可能です。
製本や納品について
弊社では予め企業様のデータをお預かりしたり、オンライン上でデータを共有するような仕組みの中で、日々の発注に応じて印刷~製本を行い、直接納品に伺ったり、指定先へ配送をしたりと御担当者様の手を煩わせない様なオンデマンド印刷サービスをご提供しております。
印刷後の仕上げに付きましても様々な仕上げに対応しており、ページ数や使用方法により最適なご提案をさせて頂きます。ここではその中でも代表的な2つの製本方法をご紹介します。
無線綴じ製本
針金や糸を使わずに、接着剤を使用して背をしっかりと固める方法です。本の内容物を一枚の表紙で包み、背表紙に当たる部分全体に接着剤を塗って固定します。厚みが出る冊子などに向いており、厚さによっては背表紙にタイトルを入れることも可能です。
中綴じ製本
表紙を含め冊子にする全ページを2つ折りにし、開いた真ん中をホチキスで留めて仕上げる方法です。接着されていない為開き易いのが特徴ですが、反面ページ数が多くなると閉じた際に膨らんでしまう為薄い冊子に向いています。コストも安く一般的によく利用されます。用紙を1枚追加すると4ページ増える為、それを一単位としてページ構成を考える必要があります。
昨今は印刷機の性能向上によってオンデマンド印刷の印刷品質自体が向上していますが、品質を追求するとオフセット印刷の方が高画質であることも確かです。必ずしも「オンデマンド印刷」をお勧めする訳ではなく、用途や必要部数などお伺いした上で最適なご提案をさせていただきます。