VHS 2025年問題!大切な思い出を守るために今すぐできること

VHSテープの2025年問題とは?

「VHSの2025年問題」は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が発した「膨大なビデオテープ(磁気テープ)の映像を2025年までにデジタルファイル化しなければ永遠にアクセスできなくなりかねない。」(いわゆる「マグネティック・テープ・アラート」)という警告が端緒となっています。
いくつかの複合的な要因からVHSテープの再生が2025年頃を境に難しくなり、テープに保存された映像がいよいよ見られなくなりつつあることを言います。
そう、まさに今年がその年に当たります。

この問題の主な要因としては以下の様なことが挙げられます。

  • VHSテープの経年劣化

第一にはテープそのものの劣化です。
1980年代から90年代に最盛期を迎えていたVHSテープは製造から30年以上を経過したものが多くなっています。一般的にテープの寿命は20~30年とも言われており、すでにこれを過ぎたものが大半を占めていると言っても過言ではないかもしれません。
安価で広く大量に普及したVHSテープは、室温や湿度が管理された環境で保管されていることは稀で、劣化の進みやすい環境に置かれているケースが多いと考えられます。
磁気テープであるため、経年によって磁性体が劣化したり、湿気によってカビが生えるなどして映像や音声が乱れ、最悪の場合再生できなくなります。
御社の倉庫に保管されているテープは既に見られなくなっている可能性も十分にあるのです。

  • 再生機器の生産終了と入手困難

「テープは沢山あるけど再生するデッキが無い」という環境はご家庭でも企業でも想像し易いと思います。
国内メーカーとして最後までVHSビデオデッキを生産していた船井電機が生産を終了したのが2016年7月、いざ「見たい」と思ったところで新品デッキの入手は困難です。
中古デッキを探す場合、昨今リユース品を取引するマーケットは実店舗、スマホアプリなど沢山ありますが、流通するデッキを見てみると数は有っても程度の良いものは限られ、状態の良いものは値上がり傾向にあります。

  • 部品の不足

ビデオデッキの入手が困難になりつつある理由の一つとして、修理に必要な部品も生産が終了していることが挙げられます。
仮に部品があったとしても技術者の減少もあって修理できる業者自体も減ってきていて、今後増々修理は困難になることが予想されます。
故障しても修理が出来ないから使用可能な中古品に需要が集中するという状況でもあります。

今すぐできる対策

それでは大切な映像をこれからも保存しておきたいと思ったときに何が出来るでしょうか?先ずはこれらを考えてみて下さい。

  • ビデオテープのチェック

テープの状態を確認し、カビや汚れがあればきれいにしましょう(拭き取るだけでもその部分の劣化の速度が違います)。そして湿気や高温を避け、劣化の進みにくい涼しい場所に保管しましょう。

  • 映像のデジタル化

メディア変換を行っている業者に依頼する。手元に再生できるデッキをお持ちの場合であって数量も少ない、という事であれば自分でデジタル化するということも考えられます。デジタル化すれば、DVDやブルーレイ、USBメモリに保存可能。クラウドに保存すれば離れたご家族と共有することも可能でしょう。

  • 再生機器の確保

デジタル化までは…ということであれば再生可能なビデオデッキを入手するのも一つです。ただし今後増々入手し辛くなることは間違いないでしょうから急ぎましょう。

何れにしてもこれらの対策は延命措置でしかないことはご理解頂けると思います。「デジタル化」であっても再生できるデッキが入手できなくなると不可能になるのです。
「見られなくなると困るビデオテープ(映像)がある」という方は、少しでもテープ自体のコンディションが良いうちにデジタル化する。
映像を将来に残すための根本的な解決方法は今のところこれしかありません。

VHSテープが再生できなくなるとどんなリスクがある?

こうした問題を抱えているVHSビデオテープですが、実際に企業や団体においてはどのような映像が保存されているのでしょうか。そしてこれらが再生できなくなることで直面するリスクにはどのようなものがあるでしょうか。

テープに保管された映像の種類、その用途には以下の様な内容が考えられます。

  • 監視カメラの映像(防犯・事故記録)
  • 重要な会議や講演のアーカイブ(社内研修・歴史資料)
  • 証拠映像(裁判資料・内部監査記録)
  • 広報・PR映像(過去に作成したCM、社史映像など)

これらの映像資産が再生できなくなると業務の遂行や法的対応に支障をきたす可能性があります。また、企業の歴史や文化を伝える映像が失われることで、広報活動の幅が狭まったり、貴重な知識や技術の伝承が困難になり、組織の成長を妨げてしまうことも考えられます。

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この記事をお読みになり、「自分のテープは大丈夫か?」とご心配になられた方、ご興味をお持ちになられ方がおられましたら本数の多少に関わらずご遠慮なくお問い合わせ下さい。

参考記事

公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会「マグネティック・テープ・アラート デッドラインは2025年 ~ ユネスコ「世界視聴覚遺産の日」記念特別イベント ~」(2024/11/22)

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