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マイクロフイルムの生産終了が決定
長年にわたり官公庁や企業の文書保存に利用されてきたマイクロフイルムですが、デジタル技術の進化によって、近年は一部機関での細々とした需要のみとなっていました。
フイルム自体の生産量減少により製造設備の維持が難しくなる中、2025年12月26日をもってマイクロフイルムそのものの受注を終了する予定であることが富士フイルム株式会社より発表されました。さらに、現像液といったマイクロフイルム処理薬品も2026年3月27日に受注を終了する予定となっています。
これは、自治体、図書館、研究機関など、現在でもマイクロフイルムの撮影を継続している団体に大きな影響があると考えられます。公的機関は年度予算で業務を予定されるケースが一般的ですが、富士フイルムから発表されたスケジュールでは年度途中で生産が終了することになり、令和7年度においてもマイクロフイルムの撮影を継続するのか他の手段へと移行するのかを早急に検討しなければ、撮影をすると決まっても原材料が確保できないというような事態も想定されます。
生産終了による影響とは?
マイクロフイルムの生産終了を受け、差し当たり検討が必要な点は以下2点あると考えられます。
①今後の保存方法の検討
マイクロフイルムの生産終了により、今後継続してマイクロフイルム撮影を行うことは困難になります。これまで一貫してマイクロフイルムで記録を残していた機関においては、新たな保存方法を模索する必要があります。
対象となる文書の種類によりスキャナーなどによるデジタル化が難しい場合は代替手段としてデジタルカメラでの撮影等が考えられます。また、保存する文書に法的な根拠が必要な場合はタイムスタンプの付与なども検討が必要です。
②フイルム劣化対策の検討
マイクロフイルムが生産されなくなるとフイルムの劣化対策の一つであったデュープフイルムの作成(フイルムの複製)も出来なくなります。保管されているフイルムの劣化対策として定期的にデュープフイルムを作成しているような場合、生産終了前にまとめて行うのか、別の方法に変更するのか検討が必要です。
デジタル化の必要性
マイクロフイルムのデジタル化とは、フイルムをスキャナー等で読み取って画像データやPDFデータ化することを言います。
フイルムの劣化対策としては複製を作り保管環境を整えることも一つの方法ですが、これにしてもフイルムの物理的な経年劣化を避けることは出来ません。
根本的な経年劣化対策としてはデジタル化一択ですが、これにしても現在販売されているフイルム電子化のための機器(リーダープリンター、スキャナー等)は以前に比べると生産数の減少からかなり高額化していて今後は入手が難しくなることが予測されます。
弊社のようなデジタル化サービスを提供している事業者においても設備の維持が課題となって来ていて、今後はデジタル化作業の継続も難しくなって行くものと考えられ、電子化への取り組みについても早急に検討を行っていただくことをお勧めします。
デジタル化のメリット
✅ データは劣化リスクが無い
→ マイクロフイルムは経年劣化が避けられませんが、デジタルデータなら半永久的に保存可能
✅ 情報検索が簡単に
→ キーワード検索機能を活用すれば、必要な情報をすぐに見つけられる
✅ 共有・閲覧がスムーズ
→ デジタルデータなら、パソコンやタブレットで簡単に閲覧できます
✅ 保管スペースを削減
→ 物理的なフイルムの保管場所が不要になり、省スペース化が可能に
今すぐ取り組むべき3つのアクション
マイクロフイルムの生産終了は、公的機関や企業における永年保存文書の保管、記録管理の大きな転換点です。
これまでマイクロフイルムを活用してきた企業・団体は、今後の保存・管理方法を早急に見直す必要があります。マイクロフイルムの生産終了に備えて、以下の3つの対応を早めに進めましょう。
✅ 現状のフイルムの劣化状況を確認する
→ 酢酸臭(ビネガーシンドローム)やカビの兆候がないかチェックしましょう
✅ 重要なデータを優先的にデジタル化する
→ まずは頻繁に閲覧する資料や、劣化が進んでいるフイルムから対応を開始しましょう
✅ マイクロフイルムの適切な保管・管理を行う
→ 温度・湿度管理を徹底し、劣化を防ぎましょう
マイクロフイルムの対応は早ければ早いほど良いことは間違いありません。
「まだ大丈夫」と先延ばしにすると、フイルムの劣化が進み、対応がより困難になります。
今なら、まだデジタル化の選択肢も豊富で、スムーズな移行が可能です。
早めの対応が、貴重なデータを守る最善の方法です。
「マイクロフイルムの管理に不安がある」「デジタル化を検討したい」という方は、ぜひ当社にご相談ください!
参考記事
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